2. 地震動予測地図作成条件

  山形盆地断層帯の地震を想定した地震動評価の計算対象領域として、震度 5以上の地震動が予測される領域を対象とした簡便法による地震動予測地図作成領域と、その中でさらに震度 6弱よりも強い地震動が予測される領域を対象とした詳細法による地震動予測地図作成領域の2つの領域を設定している。
 まず、簡便法による地震動予測地図作成領域は、山形盆地断層帯を中心とする北緯37 °30 ′〜 39 °20 ′、東経139 °20 ′〜 141 °の領域である。図2-1に巨視的断層モデルの設定位置と簡便法による地震動予測地図作成領域を示す。
 詳細法による地震動予測地図作成領域は、山形盆地断層帯に沿って設定された矩形領域である。領域の4隅の座標値は

(北緯37 °49 ′55″/東経139 °40 ′21″)
(北緯37 °50 ′16″/東経140 °40 ′20″)
(北緯39 ° 5 ′57″/東経140 °40 ′10″)
(北緯39 ° 5 ′36″/東経139 °39 ′ 8″)

となっている。この座標は、原点を北緯38°28′、東経140°10′(計算範囲の中心)平面直角座標系(]系)上でとり、南北方向に140km、東西方向に88kmの計算範囲の矩形を設定し、計算範囲の4隅の座標系を求めてその座標を緯度経度に変換したものである(なお本検討では全て日本測地系すなわち改正測量法以前の測地座標系を用いていることに注意のこと)。この領域は簡便法による地震動の事前評価を行った後に、概ね震度5強よりも強い地震動が予測される領域を抽出して設定されたものである。図2-1 に詳細法による地震動予測地図作成領域を示す。この領域における詳細法による地震動評価を行う計算地点は矩形の計算領域を1km 等間隔にグリッド分割した点である。縦(南北方向)141グリッド、横(東西方向)89 グリッドに分割した各点において地震動評価を行った。
 上述のように詳細法では,工学的基盤で時刻歴波形が1 kmグリッド、141×89 = 12549点で得られるが,本検討でそれらの波形をすべて表示することはできない。そこで,6章では、酒田、新庄、寒河江、米沢、山形の各市役所の地点における工学的基盤波を代表例として示す。これら5地点の位置を図2-2に示す。 なお、これらの地点のうち、寒河江は断層近傍の地点である。他の地点は山形県では代表的な都市であり防災上重要な地点である。


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