GMSの特徴

  1. 最小限の手間で3次元波動伝播シミュレーション
    一般的に、3次元波動伝播シミュレーションを行うためには、震源・構造・入出力・計算条件等、膨大なパラメータを設定する必要があります。GMSは、GUIを採用しお絵かきソフトを使うように視覚的・直感的にパラメータを設定できます。ほとんどエディターを使用することなく計算結果の表示・アニメーションの作成まで可能です。  (詳しくはこちら)

  2. 各種ツールと差分計算ソルバーを完全に分離
    作業が繁雑になりがちなパラメータ設定や結果の表示などのための各種ツールと、大きなマシンパワーが必要な計算エンジンを完全に分離しました。

  3. 多くのプラットフォームに対応(計算エンジン) (対応環境)
    計算部分をF90で記述しているため、POSIX標準OS(Unix, Linux, WindowsNT/2000等)で計算を行うことができます。PCからWS、スパコンまで幅広いプラットフォームに対応しており、PCクラスターにも対応予定です。

  4. 計算機負荷が小さい
    不連続格子を採用することにより、計算機負荷(計算時間・メモリ容量)を数分の1から十分の1程度に軽減できます。
        (詳しくはこちら)
    【参考論文】
      [PDF] Aoi, S. and H. Fujiwara (1999). 3-D finite difference method using discontinuous grids,Bulletin of the Seismological Society of America, Vol. 89, pp. 918-930.
      [PDF] 青井真・藤原広行 (1998). 不連続格子を用いた4次精度差分法による波形合成, 第10回日本地震工学シンポジウム論文集, Vol. 1, pp. 879-884.

  5. HDF5の採用によりファイルの入出力が効率的
     ファイルの入出力にNCSA(The National Center for Supercomputing Applications)が開発を進めている汎用的なファイルの入出力ライブラリであるHDF5を採用しました。HDF5フォーマットにより、差分計算ソルバーと各種ツールが弱く結合されています。また、3次元シミュレーションにおいては、地下構造ファイルや計算結果が膨大になるため、ファイルの入出力の効率化が必要不可欠です。HDF5を用いることで、効率的なランダムアクセス、zlibを用いた圧縮が容易に行え、また、HDF5を用いた他のプログラムとの連携も容易になります。


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