2. 地震動予測地図作成条件

 日向灘の地震を想定した地震動評価の計算対象領域として、震度5弱以上の地震動が予測される領域を対象とした簡便法による地震動予測地図作成領域と、そのなかでさらに震度5強よりも強い地震動が予測される領域を対象とした詳細法による地震動予測地図作成領域の2つの領域を設定している。
 本報告で検討を行う日向灘の地震は、「日向灘および南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価」に基づき、1662年の日向灘の地震(M7.6)と1968年日向灘地震(M7.5)を対象とした。本報告では、“1968年日向灘地震”を想定した地震をケース1、“1662年の日向灘の地震”を想定した地震をケース2として扱う。
 まず、簡便法による地震動予測地図作成領域は、九州全域と四国および中国地方の一部を含む北緯31°〜35°、東経129°〜134°の領域とした。
 詳細法による地震動予測地図作成領域は、ケース1とケース2それぞれについて設定を行った。領域の4隅の座標値は

・ケース1

北西端 :東経 130.956861 北緯 33.667334 (EW:-4000, NS:74000)
南西端 :東経 130.958117 北緯 30.979500 (EW:-4000, NS:-224000)
南東端 :東経 133.414859 北緯 33.643750 (EW:224000, NS:74000)
北東端 :東経 133.344626 北緯 30.958230 (EW:224000, NS:-224000)
*EW, NSは平面直角座標の第U系

・ケース2

北西端 :東経 130.029226 北緯 33.681564 (EW:-90000, NS:76000)
南西端 :東経 130.057683 北緯 30.976070 (EW:-90000, NS:-224000)
南東端 :東経 132.402134 北緯 33.677422 (EW:130000, NS:76000)
北東端 :東経 132.361040 北緯 30.972338 (EW:130000, NS:-224000)
*EW, NSは平面直角座標の第U系

となっている(吸収領域を含む)。この座標は、平面直角座標系(第U系(原点−経度:131度、緯度:33度))上で計算範囲の矩形を設定したものである(なお本検討では、すべて日本測地系すなわち改正測量法以前の測地座標系を用いていることに注意のこと)。
 この領域は簡便法による地震動の事前評価を行った後に、概ね震度5強よりも強い地震動が予測される領域を抽出して設定されたものである。詳細法による地震動評価を行う計算地点は、上記矩形の計算領域を1km等間隔にグリッド分割した点である。


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