3.3 専門家の意見集約を組み込んだロジックツリーによる地震ハザード評価手法

3.3.1 地震ハザード評価における不確定性要因の整理

(1)不確定性の要因

 不確定性の要因は、物理現象固有のランダム性による不確定性と、知識や認識に係わる不確定性に大別される。前者は、物理現象固有のランダム性によるもので、その不確定性を許容せざるを得ないが、後者は知識や認識に係わるもので、科学の進歩等で不確定性の低減が可能である。後者の要因を対象として不確定性評価が行われる。

(2)ロジックツリーの概要

 ロジックツリーの基本的構成は、図3.2.9に示すように評価項目(例えば、図中の破壊開始点、アスペリティ個数、アスペリティ実行応力、要素地震の実行応力)、分岐数及び、各分岐の重みからなる。重みは関連データの信頼性等(必要に応じて専門家の意見を反映して)設定する。各評価項目の分岐を連ねたパスごとに地震ハザード解析を行う。各パスの結果に重み付けを考慮して統計処理し、フラクタイル評価(平均値、中央値、特定な信頼度等)して地震ハザード曲線を求める。


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