2.1.6 地震動予測地図公開に向けての検討

 現在作成が進められている「全国を概観した地震動予測地図」に対する要望として、結果として得られた予測地図のみならず、その作成の前提条件となった震源モデル及び地下構造モデルなどの評価プロセスに関わるデータを併せて公表すべきであるとの意見が強い。こうした要望に可能な限り応ずることができるように、現在データ公開に向けての技術的な検討が実施されている。
 地震動予測地図は、単に地表での震度値のみを公表するだけでなく、確率論的地震動予測地図においては、様々な形態で表現された地図や、ハザード曲線のデータ、計算に用いた震源に関するデータ等、また、シナリオ地震による地震動予測地図においては、工学的基盤における最大速度、さらには時刻歴波形のデータ等についてもデータ公開手法の技術的な検討を実施している。
 各種データは、基本的には地震動予測地図公開WEBによりインターネット上で公開することが検討されている(図2.1.9)。一方、インターネット経由でのデータ利用が困難な環境にいるユーザーに対しても広く地震動予測地図に関する情報を提供するため、データのビューア機能を含めたデータCDあるいはDVDを作成することも併せて検討がなされている。
 地震ハザードに関する情報は多様であり、こうした多様性に十分対応できる公開システムを構築し、システムを継続的に発展させていくことが、理学的な地震調査研究の成果を効率的に工学分野での活動に生かすためには必要不可欠であると思われる。特に、前節で述べたような「確率論的地震動予測地図」と「シナリオ地震による地震動予測地図」を融合した、理想的な地震ハザードデータベースを構築し、データ公開を行うためには、膨大なデータ量になると予想される地震ハザード関連情報を如何に効率的に扱うか、また、継続的に更新・発展させていくのかと言うことが大変重要な技術的課題でもある。


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