6.2.1 3次元格子モデル

 本項では3次元差分法で用いた3次元格子モデルの詳細を述べる。

(1) 3次元深部地盤の作成
 3.4節で設定された深部地盤の1から18までの鉛直断面より3次元の深部地盤を作成した。図6.2-1に示すように断面間毎、地層毎に三角形の集合で3次元境界面を補間して3次元化をおこなった。図6.2-2図6.2-3に3次元深部地盤を示す。

(2) 深部地盤と伝播経路の接続
 表6.2-1に、深部地盤に対応した速度モデルの物性を示す。ただし、基盤層は伝播経路による物性値に置き換えたため、取り消し線付きで示す。また、密度モデルの2.5および2.6の層は、それぞれの連続性に関する根拠となる詳細な資料が現状ないため、計算用速度モデルとしては1つの層としてモデル化し、密度を両者の単純平均値(密度2.55)と設定し、更にその密度から3.4.1項で示した方法により速度値を設定した。堆積層のQはKinoshita,S.(1994)および壇他(2000)を参考に新たに設定した。
 差分法で計算する領域は深部地盤と伝播経路であるため、両者を接続したモデルを作成する必要がある。
 深部地盤の基盤層(表6.2-1、層番号5)は伝播経路の密度2.7の層(表6.2-2、層番号5)と対応すると考えられるため、同層で接続する。すなわち、深部地盤の基盤層の物性を伝播経路の密度2.7の層に一致させ、更に下には伝播経路の密度3.0、3.2の層をそれぞれ地下20km、30kmの位置に付け加える。

(3) 格子モデル
 格子モデルは(2)で述べた伝播経路と深部地盤を接続したモデルから生成した。水平方向のグリッドは、X、Y方向とも全て最小グリッド間隔h(=166m)で分割した。従って地図作成領域である約165km×75kmの範囲で996×451格子となる。図6.2-4に格子位置を示す。鉛直方向のグリッド間隔は深度に応じた速度で変化させる。表6.2-3に格子分割を示す。

・Q値
 表6.2-1および表6.2-2のQ値は周期2秒でのQ値として算定した。

・吸収領域
 地図領域から外部に逸散する波動の吸収のため、地図領域の外周部に3kmの幅の吸収領域を設けた。吸収領域の物性は地図領域外周の物性を外周面の法線方向に延長して作成した。