操作方法(チェビシェフフィルタ)

書式

2次元ダンプファイルにフィルタをかける場合:

SeriesFilter -C <入力ファイル名> <出力ファイル名> <taperFrd(sec)> <taperBak(sec)> <fL(Hz)> <fH(Hz)> <fS(Hz)> <Ap> <As>

 

3次元ダンプファイルにフィルタをかける場合:

SeriesFilter -C <入力ファイル名> <出力ファイル名> <taperFrd(sec)> <taperBak(sec)> <fL(Hz)> <fH(Hz)> <fS(Hz)> <Ap> <As> <最大使用メモリ量(MB)>

 

説明

 

 

入力

説明

入力ファイル名

入力ファイル名を指定します。

出力ファイル名

出力ファイル名を指定します。

最大使用メモリ量

最大使用メモリ量(0より大きい整数)をMB単位で指定します。

taperFrd

フィルタ処理前のデータの始端にテーパーをかけるときの領域を秒で指定します。

taperBak

フィルタ処理前のデータの終端にテーパーをかけるときの領域を秒で指定します。

fL(Hz)

遮断帯域の低周波数側のコーナー周波数(正数)を指定します。

fH(Hz)

遮断帯域の高周波数側のコーナー周波数(正数)を指定します。

fS(Hz)

高周波数側の遮断ゲインが保証される周波数(正数)を指定します。

ここで 0 <= fL < fH < fS を満たす必要があります。

Ap

 

通過帯域のゲインを決めるパラメータを指定します。

ここで、通過帯域の最低ゲインは、sqrt(1/(1+Ap*Ap))で保証されます。

As

 

遮断帯域のゲインを決めるパラメータを指定します。

ここで、遮断帯域の最高ゲインは、sqrt(1/(1+As*As))で保証されます。

 

 

使用しているフィルタ

 斎藤(1978)によるチェビシェフ型再帰デジタルフィルタです。通過・遮断帯域を指定する臨界周波数、及び各帯域における減衰の上・下限を指定するパラメタによって特性を指定します。フィルタの設計は完全に自動化されています。また、数値的不安定が生じないように、Z変換を2次の基本フィルタの積によって表現しています。本関数は等リップル通過帯域のフィルタとなっています。

 

 フィルタの特性はfL, fH, fS及びAs,Apで決定されます。fL, fHは、各々遮断帯域のコーナー周波数です。fSは高周波数側の遮断ゲインが保証される周波数を表します。3者は0 <= fL < fH < fSを満たす必要があります。低周波数側の遮断ゲイン保証周波数は,3者の関係から自動的に決定されます。fL=0の場合はローパスフィルタとして機能します.なお,フィルタ係数の最適化のため、内部的にはバンドパスの場合とは異なる関数で実装されています。

 

 As, Apは遮断帯域と通過帯域のゲインを決めるパラメタです。遮断帯域の最高ゲインは sqrt(1/(1+As*As))、通過帯域の最低ゲインは sqrt(1/(1+Ap*Ap))で保証されます。

 

 注意:通常のバタワース型フィルタの設計に用いる,6db/octのような指定はできません。

 

 参考文献:斎藤正徳、1978、漸化式ディジタル・フィルターの自動設計、物理探鉱、32, 240--263

        Saito (1978), Butsuri-Tankoh, 31, 241

 

 

入出力

入力:GMSダンプファイル1個(複数のスナップショットを結合したもの)

出力:GMSダンプファイル1個(複数のスナップショットを結合したもの)