4.震源モデルの作成

4.1 山崎断層帯の概要

 山崎断層帯は、岡山県北東部から兵庫県南東部にかけて分布する活断層帯で、西から那岐山(なぎせん)断層帯、山崎断層帯主部、草谷断層の3つの起震断層に区分される。
 山崎断層帯主部は、岡山県勝田郡勝田町から兵庫県三木市に至る長さが約80kmで、左横ずれが卓越する断層帯である。那岐山断層帯は、岡山県苫田(とまた)郡鏡野町から岡山県勝田郡奈義(なぎ)町に至る長さが約32kmで、北側が南側に対して相対的に隆起する断層帯である。草谷断層は、兵庫県三木市から兵庫県加古川市に至る長さが約13kmで、右横ずれが卓越する断層である。2005年1月1日を起点とした今後30年間の地震発生確率は、山崎断層帯主部のうち北西部で0.08%−1%、南東部で0.03%−5%、那岐山断層帯で0.07%−0.1%、草谷断層でほぼ0%と評価されており、各地震発生確率の最大値をとると、山崎断層帯主部の南東部は、今後30年間に地震が発生する確率が我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになる。
 本検討では、「長期評価」を参照して、各断層帯の震源断層位置を図4.1のように設定した。震源断層としては、山崎断層帯主部のうち、大原断層・土万(ひじま)断層・安富断層と南東部が同時に活動する場合(以下、モデル1とする)、山崎断層帯主部の北西部のうち、大原断層・土万断層・暮坂峠断層(以下、モデル2とする)、山崎断層帯主部の南東部(以下、モデル3とする)、山崎断層帯主部の南東部と草谷断層が同時に活動する場合(以下、モデル4とする)、那岐山断層帯 (以下、モデル5とする)を想定した。


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