2.2 地図の作成領域と仕様及び地震の分類
2.2.1 地図の作成領域
全国を概観した確率論的地震動予測地図の作成対象領域は北海道から沖縄県まで全国47都道府県である。ただし、北方四島は作成領域に含まれるが、沖ノ鳥島と南鳥島は地震活動をモデル化できるだけの情報が無いため、評価の対象外とした。ちなみに、対象領域に含まれる基準地域メッシュ(第3次地域区画)の総数は約38万6千である。
また、以下に示す47都道府県庁所在地の市役所の位置(東京都は都庁の位置)、及び北海道の14支庁の位置の合計61地点において、ハザードカーブならびに地震分類ごとの影響度を評価する。
2.2.2 地図の仕様
対象期間は2005年1月より30年間および50年間とし、以下の2種類の地図を作成する。
- 1)期間と超過確率を固定した場合の地震動強さ分布図
- 対象領域に含まれる各基準地域メッシュ(第3次地域区画)の中心において、西暦2005年1月より30年間での超過確率が6%、3%、ならびに50年間での超過確率が39%、10%、5%、2%となる地震動強さを計算し、メッシュ単位で色分けして表示する。表示する地震動強さは、工学的基盤上での最大速度、地表の最大速度、地表の計測震度である。
- 2)期間と地震動強さを固定した場合の超過確率分布図
- 対象領域に含まれる各基準地域メッシュ(第3次地域区画)の中心において、西暦2005年1月より30年間に地表で震度5弱以上、6弱以上の地震動を受ける確率を計算し、メッシュ単位で色分けして表示する。
期間30年の震度分布図と超過確率分布図では、すべての地震を考慮した地図に加えて、地震の分類別の地図も示す。
なお、各地図の緯度経度は測量法改正前の日本測地系に基づいている。
2.2.3 地震の分類
活断層で発生する地震や海溝型地震の長期評価を踏まえて、日本列島周辺で発生する地震を次のように分類した。
- 「その他の地震(長期評価の対象となっていない地震)」
−震源断層をある程度特定できる地震
- 主要98断層帯以外の活断層に発生する地震
- 主要98断層帯に発生する地震のうち固有地震以外の地震
−震源断層を予め特定しにくい地震
- プレート間で発生する地震のうち大地震以外の地震
- 沈み込む(沈み込んだ)プレート内で発生する地震のうち大地震以外の地震
- 陸域で発生する地震のうち活断層が特定されていない場所で発生する地震
- 浦河沖の震源を予め特定しにくい地震
- 日本海東縁部の震源を予め特定しにくい地震
- 伊豆諸島以南の震源を予め特定しにくい地震
- 南西諸島付近の震源を予め特定しにくい地震
2.3〜2.6では、それぞれの地震活動モデルの概要について述べる。
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